2025年 10月 19日
「授業とは新しいことを知る喜び・なぜ猫はマグロが好きなのか」 |
「授業とは新しいことを知る喜び・なぜ猫はマグロが好きなのか」
なぜ猫はマグロが好きなのか?祖先が食べなかった魚の味の秘密
猫の祖先であるリビアヤマネコは、主に砂漠地帯でネズミやトカゲなどの小動物を狩って暮らしており、魚を食べる機会はほとんどなかったと言われている。
それにもかかわらず、現代のイエネコ、特に日本の猫がマグロをはじめとする魚を好むのは、マグロに含まれる肉と共通の「うま味成分」に秘密があるという。
猫を虜にする「うま味」の正体
猫がマグロに強く惹きつけられるのは、マグロに豊富に含まれるアミノ酸の一種「ヒスチジン」と、核酸の一種「イノシン酸」の組み合わせによる強い「うま味」を敏感に感じ取ることができるからだそうだ
。
近年の研究により、猫の舌にある味覚受容体は、特にこのヒスチジンとイノシン酸の組み合わせに強く反応するようにできていることがわかってきた。これは、人間が昆布だしのグルタミン酸とかつお節のイノシン酸の相乗効果で強いうま味を感じるのと似ている。
肉にも含まれるうま味成分
そして、この猫が好むうま味成分は、マグロなどの魚特有のものではない。
イノシン酸: これは肉類全般に非常に多く含まれるうま味成分。鶏肉、豚肉、牛肉など、猫が本来の食性として好む獲物の味の基本となる成分。
ヒスチジン: マグロやカツオなどの赤身魚に特に豊富だが、肉類にも含まれているという。
つまり、猫がマグロを好むのは、「魚だから」というよりも、そのうま味成分の構成が、本来の獲物である肉の味と共通しており、猫にとって非常においしく感じられるからなのだ。
では、日本で猫と魚は切り離せない存在である。猫が魚をくわえている絵は多くても、肉を加えている絵はあまり見かけたことがない。
そこで、「猫は魚好き」は日本特有のイメージなのかという疑問がわいてくる。
リビアヤマネコが魚を常食していなかったという説は広く知られている。
しかし、一部の記録では、川辺などで魚を捕食することもあったとされている。
日本で「猫は魚好き」というイメージが定着したなぜだろうかと授業で子どもや生徒や学生に問いかけるのも授業の基本である。
考える授業を私は大切にしてきた。だから大阪大学でも講義の中でいろんな考える講義というか授業をしてきた。
すると、学生たちは井出先生の授業は眠たくならない。あっというまに終わってしまうというのだ。
おまけに、15日ある授業時間で15日目は試験としてレポートを書かせるのが予定なのだが、学生からレポートは提出という形で、15回目も講義をしてほしいという要求がでてきてしまう。
つまり、小学校の子どもでも、大学の学生でも新しいことを知る喜び、楽しみはかけがえのないものなのだ。この歳、齢(よわい)80歳になった今でも毎日のように新しいことを学ぶことが多い。
2025年10月18日に新しいことを学んだ3つのことをブログに記そうと思う。その一つが猫と魚の関係である。新しいことを知ったときに、さらに自分で調べるといろんなことが分かってくる。それが授業方法の一つの原則ではないのだろうか。
四方を海に囲まれ、古くから魚を重要なタンパク源としてきた日本の食文化が大きく影響していると考えられる。人間の食事のおすそ分けとして与えられるうちに、日本の猫たちが魚の味に親しんでいったというのは自然と考えつくものだ。
結論として、猫がマグロを好きなのは、その中に含まれる「ヒスチジン」と「イノシン酸」という、肉にも共通するうま味成分を強く感じ取ることができるためである。祖先の食生活とは少し異なっても、猫にとって抗いがたい魅力的な味がそこにあると言える。
では、ここからどう知りたいことは発展していくのか。
リビアヤマネコが住んでいたというリビアという国はどこにあり、どういう暮らしを人々はしてきたのか?
リビアについて調べてみると次のようだ。
リビアは北アフリカに位置する国で、地中海に面している。東にエジプト、南東にスーダン、南にチャドとニジェール、西にアルジェリア、北西にチュニジアと国境を接しており、国土の大部分がサハラ砂漠に覆われている。
地理的特徴: 北部は地中海に面し、南部は広大なサハラ砂漠が広がっている。
この砂漠にリビアヤマネコは生息していたわけになる。
地中海に面するならば、魚も食べていたのではないのか?
どうも地中海に面する地域には生息しなかったようで、魚を食べる習慣はなかったようだ。
リビアヤマネコ(別名:アフリカヤマネコ)は、現在私たちが飼育しているイエネコ(家猫)の祖先とされる野生のネコ。
リビアヤマネコについて
生息地: アフリカ北部や中東の砂漠、サバンナ、低木林など、比較的乾燥した地域に生息していた。
外見: イエネコ、特にキジトラ猫によく似ているが、イエネコよりもやや体が大きく、足が長いのが特徴。
人間との関係: 約1万年前、人間が農耕を始め、穀物を貯蔵するようになると、それを狙うネズミが集まってきた。リビアヤマネコは、そのネズミを捕食するために人間の集落に近づき、ネズミを駆除してくれる有益な存在として、人間との共生関係が始まったと考えられる。
リビアヤマネコの食性(何を食べていたか)
リビアヤマネコは、肉類からしか必要な栄養素を摂取できない「真性肉食動物(完全肉食動物)」。
彼らが主に食べていた(いる)のは、以下のようなも。
主な獲物: ネズミ、ハツカネズミ、ジリスなどの小型哺乳類(齧歯類)。
その他の獲物: 鳥類、爬虫類(トカゲやヘビ)、カエル、昆虫、ウサギなど、その生息地で捕まえることができる小型の動物。
野生下では、捕まえた獲物を内臓や骨、皮なども含めて「丸ごと」食べることによって、必要な栄養素をバランスよく摂取していた。
リビアはエジプトと隣り合わせの国だ。エジプトの彫刻にはよく猫があらわれてくる。
リビアヤマネコと関係があったのではないのかと推測できる。
私の授業の中では、「世界の食べ物を食べ、世界の歌を歌い、世界を学ぶ」というおおきなテーマがある。その中でエジプト、エジプト文明について、あるいは、古代エジプトの文字について学んだり、食べ物を栽培したりした。その話はまたの機会に書いておかねばならない。
by ir_ihatov
| 2025-10-19 16:34
| 教室・保育室・講義室から
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