2026年 02月 18日
「小黒板授業はおもしろい・大阪大学でも大好評」 |
「小黒板授業はおもしろい・大阪大学でも大好評」
この文章は、2023年9月8日のブログ「小黒板授業はIT授業の先駆けだ」をかきなおしたもの。
この話は斎藤喜博全集にも船戸咲子の本にも書いていない。本人からもきいたことがない。しかし、島小学校で実践されていたことは確かだ。
私がまだ、初めて赴任したS小学校にいるときの話である。群馬で教研だとか、音楽教育の会だったか忘れたが、研究会のあと、広い部屋に集まって、授業の話や子どもの話をした。それが私たちの常であった。そういう教室の雑談の中でも多くのことを学んできた。
国語の授業の話の中でk先輩が島小学校批判をした。k先輩は、国語の授業は文法を中心にするべきだという主張だった。その話の中で、小黒板授業の話が出た。ボール紙に墨を塗って乾かすと黒板になるというのだ。島小学校ではそういう小黒板を使っていたらしい。
k先輩から私はいろんなことを習った。というより、話のはしばしから、吸い取ってきた。
この小黒板の授業は国語でも算数でも、とくに算数に使えると思ったのだ。
黒板に算数の問題を書いて式と答えをチョークでそれぞれに小黒板に書かせて、出来上がると、上へ上げさせるのだ。私が指さして「はい」というとあっているということで、その子は、持っている布で消して次の問題を待つのだ。だめだと言われるともう一度やり直して、書き直す。
これだとどの子が分かっていて、どの子が分からないのかがすぐに教員にわかるわけである。
校内の授業研究会でやってみたら、あまり評判がよろしくない。原因はチョークだった。消せば、チョークが舞い上がる。そこで考えたのが、水性マジックで書く方法だ。しかし、水性ペンで書く小黒板なんて高くて買えない。
しばらくして、上質紙を包んである紙の中で、「Golden」というメーカーの裏が、白板のようにツルツルなのだ。これだと思って、B4の包み紙を集めだした。印刷室に段ボールの入れ物を置いて、「Goldenの包み紙を使った人はここに入れておいて下さい」と書いておいた。
また、井出さんは何かやりそうだなというのが、みんなの感想だった。とにかく、ゴールデンの紙は値が高く、普通の上質紙は1000枚入りだが、ゴールデンは500枚入り。このゴールデンが廃ばんになったときには、ネットで結構な値がつけられていた。
とりあえず、何か月かかかって、クラス分の包み紙をあつめて、墨を塗った紙の裏に貼りつけた。これはうまくいった。しかし、今の時代のように百均があるわけでなく、水性ペンは高かった。お金がかかったが、チョークの粉が飛ばないのでよかった。
高学年になると、布で拭き取らずに、自分でかわいい黒板消しをフェルトで作ってくる子もいる。なるほど、これだと、家庭科で作らしてもおもしろかったなと思った。
(百均ダイソーでなんと小黒板が売ってあったのには驚いた。2023年)
勉強だけでなく、クイズでも遊んだ。テレビでのクイズ番組のように答えを書いて出すのを子どもたちは喜んだ。クイズの問題を作るのは、子どもたち自身である。
給食の時間にクイズの問題を子どもが出す。次の給食の時間までに、小さな紙に答えを書いて箱に入れておく。クイズを出した子が答えを発表すると、その日の日直が
箱から紙を出して正解者に渡して回る。私からかわいいシールがもらえるのだ。
シールは、市販されていないもので、学校に出入りしている教材店から購入していた。昆虫や花や星座や乗り物のシールで3年生くらいまでの子に渡した。
このクイズ正解者に渡すシールだが、子どもが喜ぶものとして町では手に入らないということがあるのだが、実は、私には、このシールを通じて、昆虫や花や星座などの知識をつけてほしいという願いがあるわけだ。
これは、私の教育方法の一つなのだ。「イーハトーボ小学校の授業方法」の中の№8授業で遊ぶ、№19子どもたちは非日常がうれしい。それは大人も同じ、№31知識を馬鹿にするな、№65あらゆる時間や瞬間を利用して知識や考える力をつける、に当たる。
毎日一問だから、なかなか問題を提出しても順番が回ってこない。私の手元には山のようなクイズの問題がたまった。
小学校1年生でも喜ぶのだから、阪大生でも喜ぶだろうと最後の授業で科学の問題を出して、やってみたら、大当たり。
好評なので、毎年、やった。ボール紙に紙を貼ってあるのだから、それが160人もいるのだから、もう重くてしようがない。
そこで考えたのが、画用紙の上に貼る方法と、B4の上質紙をラミネートフイルムで包むことだ。これだと軽い。毎年、大学の方で、水性ペンは10本ほど買ってくれた。電池や磁石など、いろいろと買ってもらうので無理は言えない。短期大学にも講義に行っていたので、ここでも少し買ってもらって、水性ペンを貯めていった。しかし、かなりの部分は自前で買っていた。自前授業というところだ。
この授業のどこが「教育方法学」かというと、こういうクイズ方式の授業を考えて、これを初めは墨とチョークから初めて、水性ペンで問題を解決する。また、テレビのように一斉に答えを出すのがおもしろいのだから、そういうおもしろさも授業方法のなかに入れると生徒は喜んで授業に参加するという話をする。学生は小学校一年生と同様にもっとやりたいという子もたくさんいる。
大学の授業で、お経を読むように90分やれば、学生は寝てしまう。いかに非日常の世界を授業の中で実現するかである。
大阪大学では吹田キャンパスと豊中キャンパスに分かれていて、バスで行き来をするので、5時間目、6時間目となるとたいへん、しんどいのだ。6時間目、18時に教室に入ってきて倒れこむように机につっぷしている子もいたが、ふと授業をして気づくと、背筋をまっすぐにして集中して聞いているのだ。寝る子はいなかった。授業感想文には講義を聞いていて目がさめたというのがよく書いてある。さすが阪大生だと思った。
もう一つすごいなと思ったのは、授業5分前になると、教室に静寂が訪れることだ。授業が終わるのは19時30分だ。私は本当に教員の方がわくわくするような授業をさしていただいたと感謝している。
大学では授業のアウトラインを教員が4月に書いておいて、それを見て時間枠を学生が選ぶ。それをシラバスと呼んでいた。そこで、教員の講義評価を学生にアンケートをとってクロバスとして発表するグループがいた。
私はありがたいことに、オールAをもらっていた。私の授業は、160人が定員なので、抽選になった。毎年、20人くらいが抽選ではずれてしまった。もうあと2列教室が大きかったらと思った。
by ir_ihatov
| 2026-02-18 18:25
| 教室・保育室・講義室から
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